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【今日は何の日?】というテーマで #幕末 #明治 #大正 #昭和 の同日に起こった歴史的出来事を紹介します。

第三次ソロモン海戦 第2夜戦が発生。

【今日は何の日?】

1942年(昭和17年) 11月14

・第三次ソロモン海戦 第2夜戦が発生。


開戦以来の連戦連勝で占領地を広げた日本軍は、次なる作戦としてオーストラリアを孤立化させる米豪遮断作戦を決定。

その一環として、南方の一大航空拠点であったラバウルから、1000km離れたガダルカナル島に飛行場を建設します。(SN作戦)

しかし、飛行場の完成間近となった8月7日、突如ガダルカナル島とツラギ島に米海兵隊が上陸。

・ウォッチタワー作戦

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奇襲攻撃となった両島は翌日までに占領され、日本軍にとっては初の占領地喪失となりました。

これに対して大本営は、東西二正面で戦う米国の本格攻勢が1943年以降と考えていたため、今回の攻撃を威力偵察と判断。

敵戦力を過小評価して小部隊を送り込み、その都度撃退される戦力の小出しが続けられました。

・一木清直大佐(一木支隊を率いて、10倍以上の米海兵隊に果敢に挑み戦死)

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結果として、日を増すごとに戦力を増強する米軍に対して完全に戦機を逸してしまい

ガ島飛行場から飛び立つ敵機の攻撃で次々と輸送船が沈められ、友軍に対する補給が不足する悲惨な状態、餓島となります。

ヘンダーソン飛行場(現 ホニアラ国際空港)

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戦況打開のため大本営連合艦隊は、第2師団を投入する大規模な増援と輸送支援を決定。

10月14日夜、戦艦金剛と榛名の2隻がガ島海域に突入し、ヘンダーソン飛行場へ約1000発の艦砲射撃を行います。

・戦艦金剛(全長219.4m 主砲35.6cm シーメンス事件に関わった英国製)

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・戦艦榛名(全長222.05m 主砲35.6cm 初の民間建造戦艦 金剛型3番艦)

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この作戦が成功して飛行場は一時使用不能となりますが、すぐに復旧して第2師団上陸時には大きな被害を受けました。

26日、日米機動部隊による南太平洋海戦が発生し、米空母1隻撃沈1隻中破。

太平洋における米空母稼働数が0となります。

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これを受けて、更に第38師団増派と飛行場再攻撃を決定。

今度は戦艦比叡と霧島の2隻を投入します。

・戦艦比叡(全長222m 主砲35.6cm 昭和天皇の御召艦 金剛型2番艦)

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・比叡艦内御座所

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11月12日夜、比叡を旗艦とする挺身艦隊は、ヘンダーソン飛行場砲撃のためガ島海域に突入。

飛行場に照準を合わせた砲撃直前の状態で、突如重巡サンフランシスコを旗艦とする米艦隊と遭遇しました。

夜戦を得意とする日本側の攻撃で敵艦隊に多数の損害を与えたものの、同じく旗艦比叡など多くの艦艇が損傷したため海域を離脱。

舵が故障して海域を離脱できない比叡は曳航されるも、13日明け方に航空攻撃が集中したため自沈処分となりました。

・空襲を受ける比叡

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この第1夜戦で戦艦1隻駆逐艦2隻を喪いますが、作戦は続行。

比叡の抜けた穴に重巡愛宕と高雄を加えて残存部隊を編成後、再突入のため出撃。

・戦艦霧島(全長222.65m 主砲35.6cm 金剛型4番艦)

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・手前が高雄、奥が霧島(愛宕甲板上から撮影)

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本日14日、月光が照らす美しい夜の海で、新型戦艦2隻を主体とする米艦隊と遭遇しました。

・戦艦ワシントン(全長222.1m 主砲40.6cm)

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・戦艦サウスダコタ(全長210m 主砲40.6cm)

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本隊と分離した駆逐艦部隊が先に交戦し、新型戦艦2隻を護衛する米駆逐艦部隊が壊滅。

更に霧島の砲撃がサウスダコタに命中し、大破させました。

しかし今度は、旗艦ワシントンのレーダーを用いた集中砲撃が霧島に多数命中し、大破炎上。

15日未明、多くの船が眠る鉄底海峡で沈没し、飛行場再攻撃も中止となりました。

太平洋戦争最初で最後となる戦艦同士の殴り合いは、米側に軍配が挙がります。

この第2夜戦の隙に第38師団を乗せた輸送船団は強硬上陸するも、2000人の将兵と僅かな弾薬や米を送り届け壊滅。

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戦艦を主力と考える日本海軍は、日露戦争以来の戦艦2隻喪失に衝撃を受けました。

以後、大規模な輸送船団による補給を諦め、非効率な鼠輸送を開始。

・鼠輸送のため駆逐艦に乗り込む将兵

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ガ島に上陸した総兵力は3万人の大部隊となりますが、兵員増加と補給減少で物資不足に拍車がかかり伝染病や餓死者が続出。

翌年2月には1万人に激減した状態で餓島から撤退することとなります。